ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) 価格: 740円 レビュー評価:4.5 レビュー数:59 妻がひとことの理由も言わず家出するという夫への精神的「暴力」、男が女を犯す「暴力」、子供が子供をいじめるという弱い者からさらに弱い者へと向かう「暴力」、終局的には殺人に繋がる戦争の中の「暴力」、傷つけられた者がバットを持って立ち上がる正義の意味合いを帯びた「暴力」、そして正義側の人物の心底にもある、人を思い切りこらしめてやりたいという本能的「暴力」……。
本作では、現代で考えうるかぎりの、ありとあらゆる暴力が描かれる。種々雑多な暴力をストーリー的につなぐキーワードが、前作『ノルウェーの森』にも描かれた「井戸」だ。主人公の「ぼく」は、空き家となった近所の家の庭に空井戸 |
「象の消滅」 短篇選集 1980-1991 価格: 1,365円 レビュー評価:5.0 レビュー数:30 ほとんどが繰り返し読んだ話なのに、順番を並べ変えるとこんなに違うものかと感心すると同時に、アメリカ人の日本のファンとの目線の違いが面白い。
永年の愛読者を自認する方々にもお勧めです。
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マジカル・ミステリー~トリビュート・セロニアス・モンク&村上春樹~ 価格: 2,800円 レビュー評価:2.0 レビュー数:1 ギターという楽器&ジャズ・ギターの魅力を再確認~ 北川拓の記念すべき初リーダー・アルバム~ この作品に出会って、まずそのギターの音色の美しさに感動した。そして、あくまでも自然に、流麗に漂うようなメロディが心を打つ。 1965年に東京・高円寺で生まれ、12歳でギターを始め、15歳より「メイト音楽院」にて小塚泰氏に師事。21歳で同校の講師となり、その頃から演奏活動を始めたという北川拓。ギターを始めた頃はフォーク~ビートルズに熱中し、本格的に演奏活動を始めるとラリー・カールトン~ジョー・パス等に傾倒していったという。その後、ビ・バップの呪縛に捕らわれ方向性を見失うも、「ギ |
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ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫) 価格: 580円 レビュー評価:5.0 レビュー数:17 この話、全然終らない。
でも実はこの作品、94年に第2巻まで発売され、2巻のエンドロールには「続」ではなく、「完」が記されていた。つまり、2巻完結の長編小説として世に送り出されたわけだ。
ところが翌年の夏に、予期せぬ形で第3部が刊行された。
「予期せぬ形で」とは言っても、第2部を読了した今思うことは「えっ?これで終わり?謎だらけなんですけどー」って感じだし、続編が刊行されてることは何の違和感もない。
この謎だらけの物語がどう収束するのか、僕は期待に胸を膨らませ、第3部に移る。
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風の歌を聴け (講談社文庫) 価格: 400円 レビュー評価:4.5 レビュー数:82 ビールを飲んで語り合う。
女の子と出会い、別れる。
そんな、風のように通り過ぎていく夏が心地良い。
そして、
キザさが鼻につくが、心をくすぐる「僕」
言葉少なげで影のある「鼠」
二人を温かく包み込むバーテン「ジェイ」
この3人のやり取りはクールなんだけど、どこか温かい。
これも心地良い。
仕事に疲れたとき、行き詰ったとき、
そんな時にこの本をふと開きたくなる。
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冬の夢 価格: 1,890円 レビュー評価:4.0 レビュー数:2 フィッツの若き日の作品群。
懐かしさを超えた古き米国の出来事。
村上さんの翻訳を経て、みずみずしく蘇った。
じっくりと読み返したい作品群だ。 |
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遠い太鼓 (講談社文庫) 価格: 840円 レビュー評価:5.0 レビュー数:32 「深夜特急」を読んで海外へ出た人は多いようですが、私はこれで海外へ旅行しました。もちろん、作品中に出てくるギリシア・イタリアです。多くの部分は滞在記で、旅行と海外永住の真ん中に位置します。日本にいるようにものごとがスムーズに進まない、それがまた海外らしさと面白さをかもし出し、全て準備済みの旅行と違う魅力があることをこの本に教えられました。そして不便であっても発見の多いこんな暮らしに自然と憧れてしまいました。
これを読んだのは就職活動前で、このような経験をずっとしていきたかったので、就職してからも1カ月の休みが取れるような会社を本気で探しました。(本当にあったんです)それから、10 |